人事を尽くして天命を待つ。

今朝はよく晴れ上がった朝になりました。
こうして毎日、毎日新しい一日が始まります。
例年であれば、各クラブの関東大会の予選がそろそろ始まる時期です。
今年は残念ながら、全ての競技で県予選と関東大会の中止が決定しています。
そして、全国総合体育大会(インターハイ)の開催や、甲子園での夏の高校野球大会の開催も危ぶまれているところです。
本校にもトップアスリートクラブ(強化指定クラブ)をはじめとして、多くのクラブ活動で生徒たちが努力を続けています。
全国大会に連続出場しているクラブ、久しぶりのインターハイ出場を目指すクラブ、初出場を狙うクラブ、まずは県大会出場を目標とするクラブ。
それぞれの目標は違っても、高校3年間を掛けて目標達成のために日夜努力を続けています。
中でも3年生にとっては、最後のシーズンに向けて、決意を込めて冬の厳しい練習を乗り越えてきたはずです。
それがまさか、このような状況まで深刻化してしまうとは・・・。
努力を重ねた分だけ、その悔しさは増すばかりでしょう。
今夏の東京オリンピックが延期となったように、全国レベルの大会の全面中止という結論もあり得るかもしれません。
そのような結論に至ってしまったときには、生徒たちになんと言葉を掛けてあげれば良いのでしょうか。
どんな言葉も慰めにもならないことは百も承知ですが、少しでも彼らの落胆を和らげる言葉はないかと、今から考えてしまいます。

学校でのクラブ活動を中止している現状の中で、生徒たちがどれほどの不安と戦っているのか、想像もできません。
また、全体練習が出来ない中で、個人練習がどれだけできているのかも分かりません。
ただし、目標が見つからない中でモチベーションを保ち、練習を続けることがどれほど困難なのかは想像ができます。
人間に感情というものがある以上、それは相当に大変なはずです。
そこには、自分を律し、心と体をセルフコントロールする力が必要なはずです。
今、その葛藤の中で戦っている彼らになんと言葉を掛けたらいいのでしょうか。

スポーツでよく耳にする言葉に、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があります。
「人としてやれることを全てやり尽くして、後は、天の運命にまかせる」という心境を表した言葉です。
勝敗の結果に対して、やるべきことをやったら後は運に任せろといった意味です。
正常時であれば、「人事を尽くす」ことは、「目の前の練習に全力を尽くす」ことでしょう。
しかし、非常事態の今、「人事を尽くす」こととは、何をすることなのでしょうか。
それは、「今、できることに全力を尽くす」ことではないでしょうか。
ランニングや体幹トレーニング、ウェイトトレーニングや筋トレ、イメージトレーニングや過去の試合動画の振り返りなど、できることはたくさんあるはずです。
それはもしかしたら、練習と呼べるような内容でないかもしれませんが、とにかく真剣に、集中して、今できることに全力を注ぐのです。
それこそが、「人事を尽くす」ことです。
そして、そこに「人事を尽くす」ことができれば、どんな結果が出たとしても、落ち着いて受け止められるはずです。
なぜなら、全国大会出場が皆さんのゴールではないからです。
人生においてのゴールは、もっともっと先にあるはずです。
練習の成果を試合で出せないことは、本当に本当に気の毒だと思います。
何とかしてあげたいと思います。
でも、何ともすることができないのです。
誰にもできないのです。
そう、それこそが「天命」だからです。
どのような天命であったとしても、動じずに受け止め、それを次のステップに生かしていくのです。
その経験は、人生における本当のゴールに、大きな意味を与えてくれるはずです。
「人事を尽くした」という経験は、間違いなく皆さんに自信を与えてくれます。
不安な中でも自分を見失わず、自分がその時にできることに、全力で取り組んだという自信を。
そして、その自信がその先の困難に打ち勝つ力を与えてくれるのです。

「人事を尽くして天命を待つ」
願いが叶うのであれば、努力を続ける皆さんが、それを発揮できる場が与えられますように!

朝の来ない夜はない。  After night comes the day!

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