学校が再開し、分散登校が始まって2週目。
新しい1週間の始まりです。
今日も気温こそ上昇したものの、湿度があまり高くないカラッとした一日になりました。
今日は、私の大好きな詩を紹介します。
大正末期から昭和初期にかけて活躍した日本の童謡詩人、金子みすゞさんの詩です。
とても有名な詩なので、読んだことがある人も多いのではないでしょうか。
「 私と小鳥と鈴と 」
金子みすゞ
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のやうに、
地面(じべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
この詩は、人間である「私」と「小鳥」と「鈴」を比較し、それぞれの良い点を挙げています。
そして最後に、「みんなちがって、みんないい」とその違いを認めて、そのままでいることの大切さを歌っています。
この詩では、誰かに合わせたり、同調する必要はなく、あるがままの姿でいることの大切さを教えてくれます。
私も含めて、我々日本人はとかく周囲に合わせようとする傾向があります。
それが行き過ぎると「同調圧力」になり、周囲と違うことで差別されたり、排除されたりすることにつながってしまいます。
そんなプレッシャーに日々さらされている中で、「みんなちがって、みんないい」と言われると、スーッと肩の力が抜けていきます。
何も無理する必要はなく、あるがままでいいのだという安心感と、自分は自分でいいんだという自信を持つことが出来ます。
本当は当たり前なことなのですが、それぞれの個性を認めず、一つの基準で全ての価値を決めてしまいがちな現代社会において、「みんなちがって、みんないい」という言葉にどれほど救われることか。
その結果、自己肯定感が高まり、他者を認める心の余裕が生まれてくるのです。
この詩を読むことで、改めてそのことを思い出しました。
心の余裕が失われがちな昨今だからこそ、この詩に込められたメッセージを受け止めたいと思います。