世間ではいわゆるお盆休みが本格化してきました。
今年は、新型コロナウイルスの影響もあり、帰省に関して様々な議論が繰り広げられています。
個人で判断することとは言え、帰省先でのトラブルも絶えないことを考えると、判断が難しいところでしょう。
我が家では念のため、実家へ帰ることは控え、電話で近況を報告することにしました。
一日も早く、みんなが元気に集まれる日が戻ってくることを願っています。
昨日、新聞の一面に「教育実習なしも容認」との見出しが目に入ってきました。
学校現場での教育実習の受け入れがコロナ禍で難しくなっていることを受け、今年度限りの特例措置を認めることを文部科学省発表しました。
言うまでもなく、教育実習は教員を目指す学生にとって、必修となっている実習です。
本校では、毎年6月に実習生の受け入れをしていますが、今年は全国一斉休校の影響もあり、9月~10月と時期を変更して受け入れをすることにしています。
全国的な教員採用試験の実施時期は夏に集中していますので、採用試験を終えての教育実習となります。
実習に向けたモチベーションの維持や、実習を終えてから進路の最終決定を考えていた学生にとっては、時期の変更は厳しいだろうと想像していましたが、やむを得ない措置として決定していました。
そうした中、今回の記事を読んで、実習の受け入れ事態が全国的に厳しい状況であることを改めて知りました。
実習を通じて学んだり、感じたりすることは膨大で、教員志望の学生にとっては非常に有意義な時間となるはずです。
また、大学で学ぶ教職の授業とは異なり、現場を知ることで、自分の適性や教員という職業を知ることができることを考えると、教育実習には実習時間以上の効果があることを、身をもって知っているつもりです。
そうした意味では、決して影響が小さくない決定であろうと思います。
とはいえ、今回の未曾有の非常事態においては、やむを得ない措置であることも十分理解出来ます。
本校同様に、実習生受け入れを決めている学校においても、いつ何時コロナウイルス感染により、休校等の対応が必要になるか分かりません。
このような不確定要素が多い中での実習実施については、地域や時期による不公平が生じることも想定されます。
そうした不公平感を解消する意味においては、やむを得ない場合の措置として、「実習なし」という結論もあり得ると思います。
ただ、教育現場で働く人間としては、このことによって教員を志望する学生が減少してしまうことを大いに危惧します。
教育実習のあり・なしだけでなく、そもそも教員を志望する学生の減少につながらないことを祈るばかりです。
教員という職業は、お金では計れない多くのことを与えてくれる素晴らしい職業です。
そして、未来につながる尊い職業です。
一人でも多くの大学生が教職に興味を持ち、この素晴らしい、尊い職業を志して欲しいと思うのです。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大のように、これからの未来は不確定な要素にあふれ、唯一絶対の正解が無い時代となります。
その中で唯一頼れるのが「自分」です。
自分を如何にしっかりと保ち、起こった出来事に対して、如何に柔軟に対応していくのか。
それこそが、これからの未来に求められる力で、我々教員が育んでいかなければいけない力です。
このような尊い職業を選択し、共に使命感を持って教育活動に当たってくれる大学生を、本校では心待ちにしています。
大学生の皆さんにとっては、不安が尽きないことばかりかもしれませんが、今自分ができる最大限の努力に集中し、やるべきことをしっかりとやり遂げて欲しいと思います。