シャクルトン。

今日8月15日は、終戦記念日。
75回目の終戦の日は、猛暑の一日となりました。
世界中がコロナ禍に苦しむ中ですが、一日も早い感染の終息を祈ると同時に、戦争のない平和な日々が続くことを祈っています。

夏季休業中のこの時期、読めずにいた本をまとめ読みするには絶好の時間です。
今読みかけの本のタイトルは、「史上最強のリーダー シャクルトン」です。
アーネスト・シャクルトンはイギリスの極地探検家で、南極からの奇跡の生還を果たした人物として世界的に知られた存在です。
1900年代初頭、南極点への人類初の到達を目指して、各国がしのぎを削っていました。
そして、1911年12月、ノルウェー人のロアール・アムンセンが人類史上初の南極点到達を果たして、その争いは終わりを迎えます。
アムンセンの偉業は、イギリス人にとっては屈辱となりました。
アムンセンと全く同じ時期に、イギリス海軍のロバート・スコット隊長の極地遠征隊が、南極点を目指していたのです。
イギリスは南極点への到達に3回も挑戦していましたが、わずか35日差でノルウェーに先行されてしまいました。
さらに最悪なことに、スコット隊長率いる遠征隊の5人は、帰路で全員が死亡してしまいました。

アイルランド人のシャクルトンは、イギリスによる3回の極地挑戦のうち、2回の探検隊に参加していました。
そして、隊長として参加したエンデュアランス号での探検(1914~1916)で、最大の失敗を犯してしまいます。
隊長のシャクルトンの他、船乗り・科学者を含めた27名の隊員たちは、上陸地点まであと1日と迫りながら流氷で身動きが取れなくなってしまいます。
ここから、エンデュアランス号の大漂流が始まり、漂流は9ヶ月にもおよびますが、流氷による圧迫で大きく破損したエデュアランス号は、最終的に沈没してしまいます。
南極大陸沖の不安定な流氷の上に、探検隊の28名は取り残されてしまいました。
その後、約2年間(22ヶ月)にわたって、南極の海を漂流することになりましたが、シャクルトンのリーダーシップの元で、探検隊は一人も欠けずに全員が無事に生還を果たしたのです。

このような過酷な状況の中で、如何にして27名の隊員をまとめて、長期間の不安と孤独の闘いの中を生き抜いてきたのか。
そこには、現代に通じるリーダーとしてのあるべき姿が書かれています。
シャクルトンは、隊員たちの前では決して弱音をはかず、自信に満ち溢れ、自分たちが帰る船もなく、流氷に身を任せ、なすすべもないという現実をまるで忘れているかのように振舞いました。
そして何よりも、常にユーモアを忘れず、心にゆとりを持ち続ける姿が、私にはとても参考になりました。

世界中が新型コロナウイルスとの闘いで苦しんでいる中、シャクルトンは多くのことを教えてくれます。
この先まだまだ長く続く現在の状況の中で、私の心の支えとなる方向性をシャクルトンが示してくれました。

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