今日も暖かな陽気の一日になりました。
今朝もスプリングコートを着てきましたが、もうそろそろ必要ないかもしれません。
高校生活の基本を確認するためのオリエンテーションに臨んでいる新入生ですが、今日は本校の建学の精神となっている宗教行事を体験しました。
浄土宗の開祖法然聖人についての映画を見た後は、献灯式に参加しました。
献灯式とは、一人一人が手に持ったロウソクに火を灯し、心を落ち着けて先祖の御供養をする儀式です。
本来の献灯式を簡素化した形式ではありましたが、本校が大切にしている心の教育の一端を感じられたことと思います。
一本一本のロウソクの火は小さな炎ですが、その火がたくさん集まるととても力強く、心温まる炎となりました。
2年生、3年生は授業と並行して、グローバルビジョンセミナーに参加しました。
グローバルビジョンセミナー(GVS)とは本校独自の探求学習プログラム=GCATプログラムの一環として、行われるワークショップ型の研修会です。
自分自身のビジョン(目標・将来の展望)を明確にするために、3年間かけて取り組んでいる研修会です。
3年生にとっては今回が最後のGVSとなりました。
最終回の今回のテーマは「協働性」。
ただし、協働性(Collaboration)とは単に周囲に合わせて仲良くすることだけが目的ではありません。
①主体性を持ったメンバーが、個々の智恵と能力を出し合い、引き出し合い、チームの共通目的を達成する。
②その過程を通して、お互いの多様性と存在価値を認め合い、学び合い、一人ひとりが人として、チームとして成長する。
③強固なワンチームとなり、さらに高い目的に挑戦する。
こうした目標を達成するために、自分自身がどのように関わっていくべきかを考える貴重な時間になりました。
そして、自分の考えをファイナルプレゼンテーションとして発表し、全員で共有しました。
全てのプレゼンを聞くことは出来ませんでしたが、運動部に所属する何名かの生徒の発表を聞くことができました。
ある生徒は道端やグランドのゴミを拾うことをきっかけに、考え方が大きく変わったことを発表してくれました。
その結果、勉強への取り組みはもちろん、自分自身で考えて練習に取り組むようになったそうです。
早い段階から目標を立てることによって、その目標に向かって努力を続けられると結んでくれました。
そして高校卒業までに「体重増量」「筋力アップ」「技術」「人間性」「メンタル」を成長させたいと力強く語ってくれました。
発表してくれた生徒のプレゼン内容はもちろん良かったのですが、何よりも私が驚いたのが、生徒たちの「聞く姿勢」でした。
発表者のプレゼン中、全員の生徒がしっかりと顔を上げ、集中して話を聞いていました。
こちらが圧倒されてしまうくらい話に耳を傾けている姿に、GVSを通じての生徒たちの成長を感じました。
発表者の「プレゼン力」が向上していることは想像できていましたが、聴衆の「傾聴力」がとても向上していることに感激しました。
「自分のことを話す」よりも、「人の話を聞く」方が実は難しいということに気付いている人は少ないでしょう。
しかし、「傾聴」はコミュニケーションの基本でもあります。
3年間のGVSを通じて、こうした力も向上し、コミュニケーション力が向上していることを本当に嬉しく思います。
社会に出たときに、これまで取り組んできたことの意味がきっと分かることでしょう。
3年間GVSで学んできたことを自信にして、さらに人間的に成長してくれることを願っています。
生徒の皆さん、そして講師の先生、大変お疲れ様でした。