Mさんの思い出。

1週間の始まり、月曜日。今日から1年生も通常授業となりました。

まだまだコロナ感染の不安がぬぐえませんが、引き続き小さな感染対策を徹底していきましょう。

先日、学校の近所を車で移動していると、ある一軒のお宅から女性の方が出て来られました。

とても懐かしく、久しぶりに姿をお見かけしたので、思わず車を停めて声を掛けてしまいました。

「お久しぶりです、正智深谷の加藤です。ご無沙汰しています。」

この方Mさんは、学校とは全く関係のない一般の方ですが私にとって今に繋がるとても大切な方なのです。

今から10年前、私が教頭職を拝命したばかりの頃の出来事です。

本校周辺で送迎の路上駐車が多発している時期がありました。

とりわけ検定試験等で本校が会場になる場合、近隣の方々にご迷惑をお掛けしてしまうことが多々ありました。

ある時、Mさんのご主人から送迎車の路上駐車について大変厳しくお叱りを受けました。

電話によるお叱りでしたが、電話口で応対していても中々ご納得していただけません。

何度も何度もお詫びをしましたが、お気持ちが治まった様子もないまま、唐突に電話は切れてしまいました。

どこのお宅かも分からずに、困惑したまま数週間が過ぎました。

そうしたところ、再びMさんのご主人からさらに激しい剣幕で電話があり、何も変わっていない状況を前以上に厳しくお叱りを受けてしまいました。

電話での応対では限界があると思い、ご自宅の場所をお聞きし、直接お詫びしたい旨を申し出ましたが、それさえも中々許していただけませんでした。

何度もお願いするうちにMさんも根負けしたのか、お名前とご住所、お電話番号を教えていただき電話を切りました。

翌日、当時の事務長と一緒にMさんのご自宅を訪問しました。

何度かお伺いましたがお留守のこともあり、お会いできたのは電話をいただいてから3日間ほど経った後でした。

Mさんはご夫婦でお会い下さり、これまでの経緯をお話し下さいました。

お話をお聞きすると今回の路上駐車の件だけでなく、過去に本校の生徒がご迷惑をお掛けしたことも少なくなかったことが分かりました。

私が本校に勤務する前の出来事もありましたが、とにかく誠心誠意お詫びしました。

過去のこととはいえ、不快な思いをさせたのは事実であり、ご迷惑をお掛けしたことへのお詫びを繰り返しました。

同時に路上駐車の解決方法について提案をさせていただきました。

話の最後にMさんから「これまでさんざん苦情を言ってきたけれど、直接お詫びに来たのはあんたが初めてだ」と言われました。

そして「直接来てくれたんじゃ仕方がない。これからは気をつけてくれよ」と言われて、Mさん宅を後にしました。

その後、提案した解決策が功を奏したのか、路上駐車の苦情をいただくことは無くなりました。

この時に、トラブルが発生した時こそ、直接足を運んでお会いして対応しなければいけない、ということを身をもって学ばせていただきました。

それを教えていただいたMさんご夫妻には、感謝の気持ちしかありません。

ご迷惑をお掛けしたにも関わらず、大らかな気持ちでお許しいただき、今に繋がる良き教訓を与えていただきました。

そんなエピソードのあったMさんに、久しぶりにお会いすることができたのです。

私はうれしくてうれしくて仕方がなく、思わず声を掛けてしまったのです。

ご主人はご不在でしたが、奥様には6年前に校長を拝命したことをお伝えし、改めて名刺をお渡しさせていただきました。

「それはよかった。おめでとうございます!」と奥様には言っていただき、とても喜んでくださいました。

その後、路上駐車に悩まされることもなくなったことを聞き、とても安心しました。

さらに嬉しいことに、10年前の大雪の時、本校の運動部の生徒がご自宅前の除雪をしてくれたことへの感謝の言葉を何度もいただきました。

そして「元気のいい生徒たちの姿を見ていると、こっちまで元気になる」とまで言っていただきました。

住宅街の中にある本校ですので、ご近所の皆さんからこのような言葉をいただくと本当に嬉しくなります。

それもこれも、あの時勇気を出してご挨拶に伺ったことがきっかけだと思うと、何とも感慨深いものがあります。

初心忘るべからず。

いつまでもあの頃の気持ちを失わずに、これからも地域に愛される学校を目指して努力していきたいと思います。

Mさん、本当にありがとうございました

より幸せで健康な人生に導く「感謝」の習慣の作り方

 

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