5月16日月曜日、新しい1週間の始まりです。
今朝は朝から雨混じりの肌寒い一日となりました。
先日、埼玉新聞に興味深い記事が掲載されていました。
皆さんは「ヤングケアラー」という言葉を聞いたことがありますか?
「ヤングケアラー」とは、「本来大人がすると想定されているような家事や家族の世話などのケアを日常的に行っている18才未満の若者」のことです。
「本来大人がする想定されている家事や世話」とはどのようなことでしょうか。
たとえば次のようなことです。
・病気や障害がある家族に代わり、家事をしている。
・家族に代わり、幼い兄妹の世話をしている。
・病気や障害のある家族の世話や見守りをしている。
・家計のために働いて、病気や障害のある家族を助けている。
埼玉県が2020年に県内の高校2年生を対象に行った実態調査では、回答者の4.1%、約25人に1人の生徒がヤングケアラーであることが分かったそうです。
そのうち未就学児〜小学6年ごろまでにケアを始めた割合は、39.7%を占めたとのことでした。
学校生活への影響について「影響なし」と答えた割合が41.9%。
一方「孤独を感じる」が19.1%、「ストレスを感じる」が17.4%、「勉強時間が取れない」が10.2%という数字になったそうです。
こうした事態を受け、埼玉県では全国に先駆け、2020年3月に「ケアラー支援条例」を施行し、相談に応じて適切な機関につないだり、ハンドブックの作製などを行っています。
本校でも昨年度末に全校生徒にパンフレットを配布し、現状の理解を深めることを促しています。
私もそのパンフレットをじっくりと読んでみました。
学校として、教員としてできることは何かあるのか。
それぞれの家庭の中に踏み込むことは極めて難しいことです。
支援を求めている人がいる反面、あまり関わらないで欲しいと思っている人もいるかもしれません。
パンフレットには、「ヤングケアラーの声」もいくつか紹介されていました。
「サポートして欲しかったこと」としてこんな声が紹介されています。
・もっと周りの人の理解を深めることができる機会を設けるべきだ。
・支援をしてくれる環境を整備するべきだ。
・私の母が倒れた時、先生は私を気にしてくれました。しかし、それがかえってプレッシャーでした。そういう人たちへの関わりを考えてほしい。
・ケアをしている人たちの中には、「周りに言わないでくれ」という人もいると思う。
また、「周囲からの対応で嬉しかったこと」としてこんなことも紹介されていました。
・障害者の兄の将来の不安や愚痴を聞いてくれて嬉しかった。
いざそういった相談を受けた時、大人の私には何ができるのでしょうか。
今の私にできることは、「じっくりと話を聞き、本人の思いを受け止めてあげる」ことくらいです。
その上でスクールカウンセラーやソーシャルワーカーの方などにつなげることは可能です。
本校にも信頼できるスクールカウンセラーの方がいます。
私もよくカウンセラーの方々と話をしているので、困ったときには力を借りたいと思います。
家庭の環境はそれぞれ異なり、大変な状況におかれている場合もあるかもしれません。
すぐに解決できることは少ないかもしれませんんが、話を聞くことだけはできます。
そんな時にはまずは話をしに来てください。
My door is always open.
いつでも大歓迎で待っています。