6月2日木曜日、今週も折り返し点を過ぎました。
前期中間試験の答案返却が、各授業で行われています。
校長室の前で通りすがりの生徒に声を掛けると、おおむね「よくできました!」との声が返ってきますが、真実は如何に?
今日は卒業生のK君が訪ねてきてくれました。
K君は本校のラグビー部の卒業生です。
本校卒業後は順天堂大学へ進学し、体育の教員免許を取得。
その後、同大学院へ進学し、卒業後は同大学で講師として授業も担当していました。
専門は体育の中でも、統計やデータ分析などを専門としていました。
海外の学会等にも積極的に参加し、英文の論文も何本も発表しています。
現在はプロラグビーリーグ「リーグワン」のあるチームで、アナリストとして働いています。
ラグビー界でのアナリストとはどんな仕事を担当するのでしょうか。
ずばりそれは「数字」です。
ラグビーの世界ではこの「数字」に当たるものを「スタッツ」と呼びます。
テレビ中継を見ていると、ハーフタイムや試合終了後に、「トライ数」「ペナルティゴール数」「ボール支配率」などの数字が表示されることがあります。
アナリストとは、この数値化された「スタッツ」を分析し、「どういう傾向にあるか」「どこに弱点があるか」などを導き出す仕事です。
プレイヤー1人1人のスタッツを細かく分析し、その後の戦略に活かすことがアナリストの仕事です。
大学院で専門的に学んだことを活かして、プレイヤーとしてではなく別の形でラグビーに携わってきたのです。
「アナリスト」として働いているだけでもスゴイことですが、来シーズンからは肩書きが「スポーツサイエンティスト」に変わると教えてくれました。
「サイエンティスト」は「科学者」ですから、「スポーツを科学的に見る」ことにさらに特化した立場で仕事をするとのことでした。
改めてトップレベルのスポーツ界では、「スタッツ」をはじめとする「数字」が極めて重要であることを実感しました。
数字を分析することで、チームの戦術や選手の交代を判断するわけですから、とても大きな責任を伴う仕事です。
卒業生でプレイヤーとして活躍しているOBは何人もいますが、スポーツサイエンティストとして働いている卒業生は私の知る限りではK君が初めてです。
最近複数の大学が「データサイエンス」を学べる学部やコースを設定し始めています。
データを詳細に分析することは、全ての分野で有効に活用できるはずです。
ビジネス、政治、スポーツ、健康、レジャー。
これからの未来に不可欠な分野となるはずです。
K君の話を聞いているだけでも、こちらがワクワクすることが多々ありました。
新たな分野で活躍してする卒業生の活躍を、ときどき紹介していきたいと思います。
今後のK君の活躍を祈っています。