8月15日月曜日、終戦記念日です。
77年前の今日、日本は終戦を迎えました。
先の大戦では300万人を超える尊い生命が失われました。
ロシアによるウクライナ侵攻や台湾有事の懸念など、世界平和の実現には至っていません。
今の私自身が世界の平和に対して貢献できることを考えてみても、その力はあまりにも脆弱です。
それを自覚しているが故に具体的に何もしないというのは、単なる言い訳になってしまいます。
平和、平和と声高に訴えることだけでは、何も変えることはできません。
では、無力な今の自分には何ができるのか‥‥。
そんなことを考えるときに、いつも思い出す絵本があります。
「ハチドリのひとしずく」というタイトルの絵本です。
南米のアンデス地方に伝わる話で、明治学院大学国際学部教授の辻信一先生が翻訳し、日本に紹介されたそうです。
短い文章ですので、全文を紹介します。
森が燃えていました。
森の生きものたちは われ先にと 逃げて いきました。
でも クリキンディという名のハチドリだけは
いったりきたり 口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます。
動物たちがそれを見て
「そんなことをして いったい何になるんだ」といって笑います。
クリキンディはこう答えました。
「私は、私にできることをしているだけ」
ハチドリの英名はhummingbird(ハミングバード)。
ハチドリには300種以上が存在するようですが、全長は約5センチ〜22センチと極めて小型の鳥です。
最小種のマメハチドリに至っては、体長2.5センチしかなく、全鳥類を通して最小だそうです。
そんなハチドリが口ばしですくう水滴ですから、その量はたかが知れています。
それでもクリキンディは自分にできることとして、水を運び続けます。
絵本には書かれていませんが、きっとその続きがあるはずです。
クリキンディに触発された他の動物たちも協力して、消火活動にあたったのかも知れません。
あるいは他の動物たちは笑ってみていただけで、森は消失してしまったのかも知れません。
私としては森の全ての生き物が協力して火を消す、というハッピーエンドを願いたいところです。
結末はともかくとして、この絵本が教えてくれることは「その時の自分にできることに全力を尽くす」ことだということです。
では今の私が世界平和のために何ができるのでしょうか。
私は「他者の価値観を認める」ことがその第一歩になるのではないかと信じています。
国籍、人種、文化、環境など、日本を含めて世界中の国々は大きく異なります
当然、そこでの文化や価値観も大きく異なるはずです。
その違いをお互いに認め合い、尊重し合うことによって、それぞれの存在が意味あるものになっていくはずです。
お互いの存在を認め合えさえすれば、争いごとなど起きるはずはないのではないでしょうか。
私はそう信じているので、普段から私が関わる人たちに対して、常にリスペクトの気持ちを忘れないように努力しています。
時には受け入れられず衝突してしまうこともありますが、リスペクトの気持ちを持ち続けるように意識しています。
それが私にできる「ひとしずく」だと信じて努力しています。
世界平和への道のりは長く遠いものかも知れませんが、お互いがお互いを認め、尊重し合うことで困難を乗り越えられると信じています。
その思いを新たにした77回目の終戦記念日となりました。