8月22日月曜日、今日は埼玉私学教育研究大会に参加してきました。
この大会は埼玉県私立中学高等学校協会が主催して、毎年夏に開催しているものですが、長引くコロナ禍もあり今年は3年ぶりの開催となりました。
今年のテーマは「時代が必要とする新しい資質・能力の育成を目指す埼玉私学教育」です。
午前中に行われた全体会では、東京大学高大接続研究開発センターの植阪友理氏による基調講演が行われました。
「確かな学力と学習力を育む指導と評価とは」の演題に沿って、現在、国が目指す教育の方向性などについてご講演をいただきました。
平成29年度から始まった新学習指導要領について、従来の学校教育から転換を図り、社会で必要な力をどう育てていくのか?さらにそれらを協同的なプロセスの中でどう学んでいくのか?といったことや、評価の視点などについて、事例を挙げながら説明いただきました。
また、新教育課程の立案に多くの教育心理学者の方が参画され、心理学的なアプローチもその根幹にあるとのことでした。
心理学というと「カウンセリング」というイメージがすぐに浮かんできます。
カウンセリングでも、心の悩みを扱う「心理カウンセリング」と、学習上の悩みを扱う「認知カウンセリング」では大きく異なります。
認知カウンセリングは「共感」「傾聴」「自立支援」が特徴とされ、それらは学習に大きく影響してきます。
その影響は「知識(技能)の問題」「勉強方法(学習方略)の問題」「勉強に対する考え方(学習観)の問題」に区別され、それぞれに応じたアプローチを実践を交えて説明されていました。
また、「メタ認知」が自立した学びに大きく関係することが紹介されていました。
メタ認知とは「自分の認知活動を客観的に捉えること」です。
より分かりやすく言うと「自分が分かっていないことを、自分で分かる」ということです。
自分が「分かっている」のか「分かっていない」のかを自分で理解していないと、その状態を自分から解決することは難しいはずです。
こうした問題へ対応について、さまざまな実践例を紹介していただき、大変参考になりました。
また、午後は会長を務める英語研究会主催の「英語教育」の分科会が行われました。
元神田外語大学教授の吉住香織先生を講師にお招きし、「自立的学習鞘の育成:やる気と思考を促す授業指導の視点と工夫」をテーマにご講演いただきました。
高校現場でのご経験を含めて、とても参考になるお話をいただきました。
ワークショップも組み込まれていて、大いに盛り上がった有意義な分科会となりました。
吉住先生からも自立的学習を促す要素として、「メタ認知」「動機づけ」「学習ストラテジー(学習方略)」が挙げられていました。
全体会とも共通するキーワードである「メタ認知」は、「自立的な学習者へと成長するために必要不可欠な要素である」とのことでした。
メタ認知を高める活動を積極的に授業の中に取り入れていくことは、今後の英語教育においても必要なことだと強く認識しました。
私自身は英語の授業から離れてかれこれ6年になりますが、それでも私の原点は英語教師です。
加速度的に変わりゆく教育の波に対応していくためには、日々精進が必要であることを改めて実感しました。
久しぶりに自分自身をブラッシュアップする貴重な機会となりました。
全体会、分科会にご参加いただきました先生方、大変お疲れ様でした。