令和3年度 入学式

4/7(水)、入学式が行われました。

うららかな春の陽光が桜の絨毯の淡い色を照らし出す美しき日に、422名が正智深谷高校の生徒としての生活をスタートさせました。

 

以下、理事長式辞および校長式辞。

 

理事長式辞ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学を心より歓迎いたします。

保護者の皆様にはおかれましては、お子様の勉学の成果が見事に実り、ここにめでたく、入学式を迎えられましたこと、さぞかしお喜びのことと、心からお祝いを申し上げます。                                     

新入生の皆さんは、これから正智深谷高等学校で何を学び、どのような活動をして、そしてどのような人と出会うのかなど、高校生活に思いを巡らし、期待に胸を膨らませて本日を迎えていることと思います。

この正智深谷高等学校は、仏教の教え、とりわけ鎌倉時代に登場した、法然上人の教え、ものの考え方、生き方を、建学の精神に掲げております。法然上人というお方は、優しく勇気があり、強い人間として生き、すべての人々が救われる道を説いた方であります。

皆さんはこれから、たくさんのことを学ぶことになりますが、法然上人の生き方を手本とし、ただ単に、知識を習得するだけではなく、その知識を正しく使うことができるよう、自らの人格を高めて頂きたいと願っております。

そのために、皆さんに心がけてほしいことを2つ、お話いたします。 

  • 本気の努力を継続せよ
  • 利他精神を持て        

一つめの「本気の努力を継続せよ」、ですが、

どうでしょう、これまでのご自分の人生、15年間のあり方を振り返ってみて、「あのとき、もっとこうしておけば良かった」なんて考えが頭に浮かぶことはありませんか?

しかし、「後悔先に立たず」ということわざもあるように、もうすでに終わってしまったことに対して、あれこれ悔やんでもどうにもならないのですね。

私自身もたくさんの「後悔」を経験してきています。それは、知識が足りなかったから、人生経験が未熟だったから、行動する勇気が無かったから、様々な理由がありますが、その根底には、自分の努力不足があります。

 

では、どうすれば良いのか?

人生を後悔しない唯一の方法は、「あれ以上はできなかった」と思えるまでやること。「これ以上は無理!」というギリギリの限界点までやり尽くすことです。つまり、本気の努力です。うわべだけの努力ではなく、本気の努力。それを継続することです。

皆さんが3年後に本校を卒業するときに、「ああ、もっと真剣に勉強しておけば良かった」とか「もっと真面目に練習すべきだった」と後悔しないために、本気の努力を継続して下さい。

法然上人の教えの中に、選択・専修という言葉があります。本校の校訓にもなっています。選択とは、正しいもの、自分がなすべきものを選び取ること。そして専修とは、選び取ったものに、ひたすら打ち込むということです。この選択・専修こそが、本気の努力を継続することにほかなりません。皆さんもこの生き方を身につけて下さい。

 

2つめ、利他精神を持て

埼玉県深谷市には、郷土の偉人として、渋沢栄一翁が有名であります。ちょうど今、大河ドラマでも放映されていますね。

日本資本主義の父と呼ばれている渋沢栄一翁は、天保(てんぽう)11年(1840)誕生し、子どもの頃から商売の才能を発揮したそうです。

幕末の動乱期へ経て、その後2年間かけてヨーロッパ各地を視察し、資本主義文明を学び、帰国。いったんは、役人として働きましたが、退職後、多種多様な企業を設立し、その数は500をこえると言われています。

「自分の利益を追わずに公の利益を図る」、との考えを生涯にわたって貫き通し、晩年には、社会・教育・文化事業に力を注ぎ、大学や病院の設立など、社会に大きく貢献されました。

自分の利益幸福のためだけでなく、他人の利益幸福のためにも働かなければ、けっして栄えることはできない、というのが渋沢栄一翁の考え方。

仏教では、他者のために働くことを利他行、利他精神と言いますが、

皆さんにも、自ら学び、自らを高め、身につけた力を、家族の幸せのために、周りの仲間を喜ばせるために、世の中を良くするために、国を豊かにするために、世界を平和にするために、・・・より大きなもののために使うことのできる人間になって頂きたいと願っています。

 

1,本気の努力を継続せよ

2,利他精神を持て

 

この2つを常に頭の中において、これからの高校生活を送って下さい。

最後に保護者の皆様にお願い申しあげます。教職員は、日々の研鑽に努め、そして、生徒たちへ愛情をもって、接してまいります。しかし、時には、厳しく叱ることもあります。また、ご両親様にも学校に来ていただくこともあるかも知れません。ですが、これは、生徒一人一人の将来を思ってのことであります。学校・家庭、そして地域社会が一体となって生徒を見守り、育てていくことが重要だと考えておりますので、保護者の皆様方のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

新入生の皆さんが、正智深谷高等学校での生活に高い志を抱き、良き友、良き先生と出会い、生涯忘れることのできない3年間を過ごしてくれることを、心から期待して、入学式の挨拶といたします。

 

 

 

 

 

校長式辞ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ただ今、本校への入学を許可しました422名の新入生の皆さん、改めまして入学おめでとうございます。そして、本日ご出席の保護者の皆様、お子様のご入学誠におめでとうございます。皆さんの入学を教職員一同、そして在校生一同が心待ちにしていました。桜の花は今日の日を待ちきれずに、一足早く満開を迎えましたが、その花びらは皆さんの足元を温かく見守ってくれています。

 

新型コロナウイルスの感染拡大もあり、多くのことが制限された中での式典となりましたが、こうして多くの皆様と今日の日を迎えられたことを本当に嬉しく思っています。

 

日本の哲学者であり教育者であった森信三先生は、こんな言葉を残しています。

「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早過ぎず、一瞬遅すぎない時に。」

私は、今正にこの時が、皆さんと私たちが逢うべき瞬間だったのだと思います。本校への入学の経緯は、人それぞれ違うことと思いますが、そうした過去は今ここで全て忘れて下さい。

気持ちを全て切り替えて、新しい生活に踏み出していきましょう。今日からが本当のスタートです。  

 

Today is the first day of the rest of your life.  

「今日という日は、残りの人生の最初の日である」

 

そうです、今日という日が皆さんのこれからの人生の最初の日なのです。逢うべき人と出会い、これからの人生の最初の一歩を共に刻み始めるのが、今日という日なのです。改めてこの幸せを大切にしていきましょう。

 

さて、新型コロナウイルスの感染拡大は、終息が見えない状況が続いています。今後も感染者数は一進一退を繰り返しながら、少しずつ終息に向かっていくことが予測されています。

今後はこのウイルスとどのように共存していくのかが、私たちにとってとても重要なことになります。目に見えないウイルス感染の恐怖を感じながら、毎日を過ごしていくことは大変なことと思います。しかし、そうした状況の中で一番大事なことは、今自分自身ができることに全力を尽くしていくということです。これから始まる高校生活における全てのことに全力を尽くしていくということです。毎日の生活の中で、自分自身が常にマイベストを尽くしていれば、必ずや道が開けてくるはずです。

 

現在行われている水泳の日本選手権で、白血病との壮絶な闘いを乗り越え、見事に東京オリンピックの代表の座を掴みとった池江璃花子さんは、「努力は必ず報われる」とおっしゃっていました。彼女の凄まじい努力には感動の言葉以外浮かびませんが、彼女のように努力が常に結果につながるわけではありません。むしろどれほど努力をしても、結果につながらないことの方が多いのではないでしょうか。そのことは私自身も身をもって感じています。ただ結果は別にして、努力をしたという事実が消えることはありません。そしてその努力が自信につながっていくのです。その自信が更なる努力につながり、皆さんの未来の支えになっていくのです。

 

ところで、将来なりたい職業や仕事がすでに決まっている人はどれくらいますか?コロナ禍により社会情勢が劇的に変化し、この先の未来がどう変わっていくのか想像がつきません。そしてこの先どんな職業が消えずに残り、どんな職業が新しく生まれてくるのか、誰にも分かりません。そうした正解のない社会に出ていく時に、本当の力になっていくのが、自分を支える自信です。本校では、仏教精神を通して心を学び、授業やGCATプログラムを通じて学力の3要素を磨き、部活動や学校行事を通して多様性や協働性を学ぶことができます。こうした毎日の生活に全力で取り組んでいくことが、自分を支える自信になっていくのです。

 

未来への不安は尽きませんが、その不安を振り払うために、目の前にあることに全力で取り組んで下さい。過去を悔やまず、未来を恐れずに、今を全力で生きていきましょう。そして、その先の明るい未来を一緒に作っていきましょう。

 

改めまして、正智深谷高校へようこそ。ご入学誠におめでとうございます。

 

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