今回の『Mind Charging』は、番外編ということで通常の名言シリーズではなく、日々の生活の中で見つけたシーンについて取り上げます。
今回は『裏方』についてです。みなさんは裏方と言われてどのような立場の人のことを想像しますか?
そもそも、裏方という言葉は、舞台の『裏』で働く劇場関係者などを指して生まれたそうです。
みなさんはあまり馴染みがないかもしれませんが、このイラストのような格好で舞台袖に控え、目立たないように進行のアシストをする『黒子』という仕事があります。『THE 裏方』という感じですよね。
裏方とは主役の個性や魅力を大きく引き出すための存在ということですね。みなさんが通う『学校』を舞台として考えると、主役は生徒であるみなさんで、裏方は先生方をはじめとした学校で働く人たちです。家に帰れば掃除や洗濯、食事などのお世話をしてくれる家族がいます。そう考えるとみなさんは24時間の中でほとんどが主役として生活していると言えますね。
そんな裏方の存在は、もちろん認識していて感謝の気持ちも持っていると思いますが、裏方はみなさんが見ている表側にはあまり姿を現しません。それゆえに存在を忘れてしまう(当たり前になってしまう)ことがあります。
例えば授業をしてくださる先生方も、授業の時を『表』とするならば、授業の時間外でみなさんによりわかりやすく伝えるために様々な準備を行っています。これが先生方の『裏』の部分です。先日開催された体育祭でも事前準備や当日の進行などで動いてくださっている姿が記憶に新しいところです。
様々な立場の人々が同じ空間の中で動いています。同じ人が表になったり裏になったりもします。しかし、私たちは自分自身の目や耳から情報を得るわけですから、全てを読み取ることは非常に難しいことです。
『目に見えるものが全てではない』ということを常に頭の片隅に置き、今の自分の生活を成立させるために多くの人々の力が注がれていることに改めて感謝の気持ちを持つことが重要だと思います。
今回、私が裏方の人の努力を見た中で一番印象に残っているのは『お辞儀』です。
自分以外の誰かの大きな成功体験や学びのために必死に説明し、何度も深く頭を下げる姿は『かっこいい』とさえ感じました。そして、その熱意が伝わったかのように先方の方々も非常に丁寧にお辞儀をされていました。デジタル社会と言われている昨今ですが、最後にモノをいうのはやはり『心』なのだと改めて痛感しました。
みなさんも今後、裏方に回ることも多くなっていくと思います。自分が主役の時は、必ず誰かが自分を支えてくれているはずです。お互いを尊重し、『心が通い合う』正智深谷高校でありたいものですね。